全ての国際結婚は偽装結婚でないか入念に審査されます
このように日本人配偶者等の在留資格認定においては偽装結婚が非常に多いため、入国管理局においては、「全ての」国際結婚カップルに対して、偽装結婚でないか、について入念な審査が行われます。
日本人配偶者等の在留資格認定を行う大阪入国管理局正面
入国管理局は全て虚偽申請であるつもりで審査します
いくら自分達では「真実の国際結婚」であることを知っていても、その主観は第三者には伝わりません。
とくに審査をする側からしてみれば、調査を行ってみなければ、「真実の国際結婚」なのか、「偽装結婚の国際結婚」なのか、判断できないわけですから、申請を受け付けた時点では、全ての申請が同じスタートラインに立ちます。
もちろん、全て「偽装結婚の疑いがある」という意味のスタートラインです。
日本人と日本人が、幼なじみで結婚したり、同級生同士で結婚したり、職場結婚したりすることに比べれば、「国際結婚である」ということ自体が、第三者からは不自然な状況に見えるかもしれません。
ましてや、日本人同士でさえ、ちょっとした言葉の擦れ違いで打ち解けられなかったり仲違いしてしまう中、言葉の壁がある状況で、「愛や恋など、生まれるはずがない」と考えられても仕方ないくらいの心構えが必要です。
主観に溺れてしまっていては、正しい主張ができなくなります。
偽装結婚の申請の方がきちんとした書類であることも
真面目な、真実の結婚であるカップルにとっては、「自分達の婚姻には何の嘘もないので疑われるはずなんて全くないし、疑われたところで本当の婚姻であるんだから何の心配もない。」と信じていることでしょう。
本当の結婚である自分たちの申請と、嘘の申請を比べたら、一目瞭然じゃないか、と心の中で笑い飛ばしている場合も多いと存じます。
しかし、偽装結婚による在留資格認定証明書交付申請を行う犯罪者カップルも日本に上陸するために必死で書類を整えてまいります。
とくに偽装結婚のために借金をして違法な業者に大金を払っているようなケースも多く、早く来日してせっせと働かないと大変な事態となってしまうために、まさに命をかけて申請書類を整えるからです。
一方で、簡単に考えている真実の結婚のカップルでは、申請書や質問書その他の書類においていい加減に記入したり、他の添付書類の内容も自分で精査せずにポイッと提出してしまうことも少なくなく、結果として、むしろ偽装結婚カップルよりも見劣りする入管提出書類となってしまうことがよくあります。
また、結婚自体は本当の結婚であっても、人間の暮らしですから、プライバシーの面からどうしても話したくないことを誤魔化してしまったり、逆に、申告する必要のないことまで申告してしまって状況を複雑にしてしまう例が、後を絶ちません。
実際、ASC申請支援センターに相談に来られる方の中にも、真実の結婚であるにも関わらず、何度も不許可を入国管理局から言い渡されて、途方に暮れてお越しになられる方がいらっしゃいます。
また、標準処理期間(※1)も相当の期間が掛かりますので、申請をしてから許可が下りて、さらにビザが交付された後に上陸が許可され、一緒に住めるようになるまで待ち遠しい長い期間がかかります。
〇行政書士事務所に国際結婚に関する相談をしてみる
〇もう少し深く、国際結婚ビザのことを知る
※1
日本人配偶者等在留資格認定での標準処理期間
標準処理期間とは、官公庁が「一応の目安」として、許可までのおよその期間を公示しているものです。
しかし、標準処理期間は官公庁が「絶対に守らないといけない期間」として義務付けられているものではありません。
日本人配偶者等の在留資格認定において、標準処理期間は「1ヶ月~3ヶ月」と定められていますが、入管の審査は日本国の主権と国益を守るための大事な業務であるため、慎重に審査する必要があると判断された限りはそれ以上にかかる場合もあります。
また、在留資格認定証明書交付申請は、長引いた末に不許可となることも多い申請です。