「妻(未届)」「未届の妻」のネット情報の大間違い

「内縁の妻」「内縁の夫」を「妻(未届)」と届出られるわけではない

 最近は、よく「内縁の妻(または夫)については、未届の妻として、住民票上で、届出ることができますよ~。」なんて、簡単に書いてある記載がインターネット上に見られるようになってきました。

 でも、正確には、これは大間違いです。

 間違いの原因は、知恵袋サイトなどで素人の人が相談に答えて、またその記事を読んだ人が別の知恵袋の質問などに答えるという繰り返しで、今では、「さも真実のような」ネット情報として氾濫してしまったのでしょう。

 

内縁の妻として届出ができるのは「配偶者として婚姻届を提出することを予定しているカップル」のみ

 「内縁の妻」については既にこちらに詳しく書きましたが(→内縁の妻についてのリンク)、内縁の妻というのは、近々婚姻届を提出する予定の恋人達に限られます。

 もうすぐ婚姻届を提出することは間違いないのであるが、結婚するための書類が手に入っていないなどの理由で今すぐに婚姻届を提出することができなくて、一方で、同居して同じ世帯となり夫婦の暮らしを始めてしまっているので勤務先などで社会保険などの手続きをしていきたいような場合に、ロスタイムがあるのは(将来正式に婚姻する)夫婦にとって不利益となるために、便宜的に認められた住民票上の続柄が「妻(未届)」という表記です。

 日本人として、日本に暮らし、民法をはじめとした日本の法律を忠実に守る意思があって、婚姻届を提出する気持ちがあるのに、物理的に間に合わない場合のみ、現実に婚姻届を提出するまでのタイムラグの期間に限って、認められるものなのです。

 婚姻届を提出する気はさらさらありません、というふたりには認めてはいけません。

 

できるだけ早く(未届)を取っ払って、お幸せに!

 結婚を予定しているから認められる続柄が「未届の妻」である以上、今すぐにでも結婚ができる状況でないといけません。

 ですから、住民票に未届の妻の表示を望まれる場合には、婚姻届を提出するときと同じだけの証明書類が必要となります。

 このサイトは国際結婚がテーマのサイトですので、国際結婚を想定して、婚姻可能であることを証明するのに必要な条件を申し述べますと、

 ・お互いの国において婚姻適齢期にあること
 ・お互いの国において独身であること(相手国が重婚を容認していても必要)
 ・お互いの国において、その他の婚姻不適合条件がないこと

 (日本人同士の場合には「お互いの国」という部分を単純に「日本国」と読み替えるだけ)

となります。これらについての証明書を添付して、住民票に「未届の妻」の表示を申し出るわけです。

そして、届出が受け付けられ、晴れて「妻(未届)」と記載されても、その際に必ず市区町村の担当者の方から、「一日でも早く婚姻届を提出して、婚姻届を提出されたら、報告していただいて「(未届)」を取ってくださいね。」と最後に忠告されます。

忠告があろうがなかろうが、早く婚姻届を提出して、「未届の」なんて煩わしい表現を早く取っ払って、幸せな人生をスタートしてください!