内縁の妻とか内縁の夫といった内縁関係では、いくら真実の愛がそこにあったとしても、配偶者ビザ、つまり日本人配偶者等の在留資格を入国管理局が認めることはありません。
戸籍上の夫婦となっていない限り、日本人の配偶者ではないわけですから、配偶者でない限り配偶者ビザが与えられないのは当然のことかもしれません。
また、民法の規定に基づいた戸籍上の夫婦でないカップルは、ある意味「真実の愛」などない、と見做されても仕方ないともいえます。
同居してから長く時間が経つのに婚姻届を提出していない方達は、よく「事情があって」とおっしゃられます。
親が認めてくれない。
一人っ子なので苗字を変えたくない。
お金がないので、将来が不安。
借金があるので、配偶者に迷惑かけたくない。
前婚の子供の名前を変えたくない。
など、理由はさまざまです。
さらには、カップルのどちらかがまだ結婚している。などに至ると、倫理上も法律上もよろしくないでしょう。相手が別れてくれない、というのは、理由になりません。裁判してでも別れることは可能ですから、ほとんどの場合は、本人に真剣に分かれるつもりがないだけと第三者は思っていますし、ほんとうは本人自身も単に別れるつもりがない一方で同棲は続けたいので言い訳を並べてだましているのがほとんどでしょう。そこには全く愛はありません。
かつて、結婚した相手の冠婚葬祭などの親戚付き合いに出ないといけないのが面倒、という人が居ましたが、それは婚姻届を出したからどう、という話ではなく、事実婚であっても夫婦同然の暮らしをしているのであれば親戚付き合いをするのが良いことでしょうし、単に人付き合いを嫌っているだけでしょう。誰でも親戚付き合いは面倒だけれど、お互いを思う気持ちの中から、配偶者の人間関係をこわさないように配慮をして出席しているわけです。
結婚は、「非常にパワーのいる」イベントです。
そして、誰もが多かれ少なかれ、さまざまな障害を乗り越えて、結婚にたどり着くのです。
まずは、ひとつずつ、その「事情」を真剣にクリアしていって、法律上の婚姻をしてください。
日本人の配偶者等の在留資格認定(あるいは変更)は、それからです。